太陽光発電の発電量が急に低下。最初はパワコンの経年劣化だと思った話

太陽光発電

はじめに

わが家では、2013年に住宅用の太陽光発電システムを設置しました。
設備容量は 5.25kW です。

設置した当初は、条件の良い時間帯で 最大4.8kW前後 まで発電していました。
晴れた日の昼前後にはしっかり発電してくれていたので、長年、特に大きな不満は
ありませんでした。

ところが、10年を過ぎたころから、少しずつ発電量が落ちてきたように感じるようになりました。

ただ、太陽光発電も機械です。
特にパワーコンディショナは、太陽光パネルで発電した直流電気を、家庭で使える交流電気に変換する重要な機器です。

10年以上使っていれば、ある程度の経年劣化は仕方ない。
私はそう考えていました。

しかし、2025年に入ってから、数字の落ち方が明らかにおかしくなってきました。


異変に気づいたきっかけは「ためトク」の月別データ

私が「これはおかしい」と強く感じたきっかけは、電気料金請求データに表示される
ためトクサービスの数値 でした。

それまでは、ためトク割引(昼間)の数値が150kWh超で推移していました。
ところが、2025年6月に 131kWh となり、150kWhを切りました。

その後、7月は 80kWh、8月は 42kWh まで低下しました。

月分ためトク割引(昼間)
2025年4月150kWh超
2025年5月150kWh超
2025年6月131kWh
2025年7月80kWh
2025年8月42kWh

年単位で少しずつ下がるのであれば、経年劣化として理解できます。
しかし、月単位でここまで数字が落ちると、さすがに異常だと感じました。

「これは何かがおかしい」

そう思い、私は太陽光発電システムの不具合を疑い始めました。


最初に疑ったのは太陽光パネルではなくパワコンだった

発電量が落ちたとき、私が最初に疑ったのは太陽光パネルではありません。
最初に疑ったのは パワーコンディショナ でした。

既設のパワコンは、三菱電機製の PV-PN55G です。
10年以上使用していたため、内部部品が劣化している可能性が高いと考えました。

パワコンは、太陽光発電システムの中でも重要な機器です。
直流を交流に変換する機械なので、経年劣化によって変換効率が落ちてもおかしくない。
当時の私は、そう思い込んでいました。

また、三菱電機は住宅用太陽光発電から撤退していたため、同じ三菱製で更新するのは難しい状況でした。

そこで私は、カナディアンソーラー社のパワコンへ更新することにしました。
私の認識では、パナソニック系のOEM製品という理解もあり、信頼できると判断しました。

今思えば、この時点では、

「まずはパワコンを交換すれば改善するはず」

と、かなり思い込んでいたと思います。

取り外したパワコンです


5.25kWのパネルに4.0kWパワコンを付けたら、余った電気はどうなるのか?

ここで少し疑問に思ったことがあります。

わが家の太陽光パネルは5.25kWです。
それに対して、今回選んだパワコンは4.0kWです。

では、仮に太陽光パネル側で4.0kWを超える発電能力がある場合、
その余った電力はどうなるのでしょうか。

最初、私は、

余った電気が熱として捨てられるのだろうか?
パワコンに無理がかかるのではないか?

と少し心配しました。

しかし、太陽光発電は「パネルが常に最大出力を無理やり出している」
という仕組みではありません。

パワコンには、太陽光パネルから取り出す電力を制御する機能があります。
一般的には MPPT制御 と呼ばれるもので、その時の電圧・電流の状態を見ながら、
最も効率よく電力を取り出すように調整しています。

そして、パワコンの定格出力が4.0kWであれば、それ以上の交流出力を出さないように
制御されます。

つまり、5.25kWのパネルが付いていても、条件が良すぎて4.0kWを超える
発電能力が出そうなときは、パワコン側で出力を制限します。

これは「余った電気をパワコンの中で大量に熱として捨てている」というより、
そもそもパネルから取り出す電力をパワコン側で調整している と考える方が分かりやすいです。

もちろん、パワコン自体には変換ロスがあります。
たとえば変換効率が約96%台であれば、変換時の数%は熱になります。
しかし、4.0kWを超えた分をそのまま全部パワコンの中で熱にして捨てている、
という意味ではありません。


もう少しやさしく説明するなら

太陽光パネルは、日射が当たれば発電する能力を持ちます。
しかし、実際にどれだけの電力を取り出すかは、接続されているパワコンの制御
によって変わります。

たとえるなら、

ダムの水門(パワコン)は大きく開ければたくさん水が出る。
でも水門の開放が上限の4kWである。4kW開放分だけ流れる。

というイメージです。

パネル側に5.25kW分の能力があっても、パワコンが4.0kWまでしか出さない設計なら、
4.0kW付近で頭打ちになります。

このような現象は、太陽光発電では ピークカットクリッピング と呼ばれることがあります。

5.25kWの設備に4.0kWパワコンを選んだ理由

今回交換したパワコンは、カナディアンソーラーの CSP40N1F です。

パナソニック系(三洋電機)のOEM製品という理解です。定格出力は 4.0kW です。

ここで疑問に思う方もいるかもしれません。

「5.25kWの太陽光パネルがあるのに、なぜ4.0kWのパワコンにしたのか?」

たしかに、既設の太陽光パネル容量は5.25kWで、旧パワコンは5.5kWでした。
普通に考えれば、同じように5.5kWクラスのパワコンを選ぶのが自然かもしれません。

しかし、実際の運用では、設置当初でも最高出力が出るのは一日のうち限られた時間だけでした。

条件が良い日でも、最高出力はおおむね 4.5kW前後
しかも、それが出るのは午前11時から午後1時ごろまでの短い時間帯です。

さらに、現在の売電単価は高くありません。
私の場合、売電単価は7円程度です。

高価な5.5kWクラスのパワコンを選んでも、追加で回収できる電力量は限られる。
そう考え、費用対効果を重視して 4.0kWのパワコンで十分 と判断しました。

もちろん、4.0kWのパワコンを選んだことで、晴天ピーク時には4.0kW付近で
頭打ちになる可能性はあります。

しかし、今回の異常はそのレベルではありません。
晴天時でも 1.5kW前後 しか出ない状態でした。

つまり、4.0kWのパワコンを選んだことが、今回の発電低下の原因ではありません。


交換後のパワコン CSP40N1F の仕様。定格出力は4.0kWですが、
今回パワコン更新後も、晴天時で残念ながら1.4kW前後しか出ない状態でした。

結論を先に言うと、全く変化無し。「ちーん」です。


パワコンを交換しても発電量は改善しなかった

期待してパワコンを交換しました。
しかし、発電量は思ったように改善しませんでした。

ここで初めて、私は考えを改めることになります。

「もしかして、原因はパワコンではなく、太陽光パネル側ではないか?」

当時の手書きメモを見返すと、自分がどのように考えていたのかがよく分かります。

そこには、

「パワーコンディショナーが原因であると思い、交換したが発電量の変化なし」

という趣旨の記録を残していました。

つまり、私は最初、パワコンを疑って交換した。
しかし、交換しても発電量が戻らなかった。

この時点で、ようやく太陽光パネル側の異常を疑うようになりました。


手書きで計算してみると、保証基準を大きく下回っていた

さらに、自分なりに手書きで計算してみると、異常はよりはっきりしました。

わが家の太陽光パネルは、1枚250Wのパネルが21枚です。
合計すると、設備容量は 5.25kW です。

太陽光パネルの出力保証は、一般的に一定期間内に公称出力の一定割合を下回った
場合が対象になります。
私の保証書では、モジュール20年保証の対象でした。

250Wパネルの80%は、200Wです。
7枚で1ストリングなので、

200W × 7枚 = 1.4kW

これが1ストリングあたりの目安になります。

わが家は3ストリングなので、

1.4kW × 3回路 = 4.2kW

つまり、80%基準で考えると、全体で 4.2kW程度 が一つの目安になります。

ところが実際には、晴天時でも最大で 1.3〜1.5kW前後 しか出ていませんでした。

日射や気温を考慮しても、あまりにも低い数字です。

パネル側の出力低下を本気で疑うようになったのは、この計算結果を見たときでした。


発電量低下=すぐパワコンとは限らない

今回の経験で分かったのは、発電量が落ちたからといって、
すぐにパワコンが原因とは限らないということです。

私の場合、10年以上使用していたこともあり、最初は自然にパワコンの経年劣化を疑いました。
ためトクの数値が150kWhを切ったことをきっかけに異変に気づき、
パワコン更新を決断しました。

5.25kWの設備に対して、4.0kWのパワコンを選んだのも、
費用対効果を考えた上での判断でした。

しかし、結果的には、パワコンを交換しても発電量は改善しませんでした。

そこで次に行ったのが、各ストリングごとの電圧と電流の測定です。

この記録が、後にメーカー保証交換へつながる大きな証拠になりました。

次の記事では、私が実際に行ったストリング測定の記録について書いていきます。


まとめ

太陽光発電の発電量が落ちると、まずパワコンを疑う方は多いと思います。
私もそうでした。

しかし、今回の経験から感じたのは、

発電量低下=すぐパワコンとは限らない

ということです。

もちろん、パワコンが原因のケースもあると思います。
ただ、パワコンを交換しても改善しない場合は、太陽光パネル側の出力低下も
疑う必要があります。

大切なのは、感覚だけで判断しないことです。

月別データを見る。
実際の発電量を記録する。
ストリングごとの電圧と電流を測る。
保証書を確認する。

こうした記録が、後の対応で大きな力になります。

今回の記事は、あくまで異変に気づいた入口です。
次の記事では、実際にどのようにストリングごとの数値を記録し、パネル側の異常を疑うようになったのかを書いていきます。

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